2008年3月2日日曜日

多量飲酒への外来介入研究

先日、神奈川県にある久里浜アルコール症センターに行ってきました。アルコール依存症というレベルではないけれど、多量飲酒者(おおむね毎日3合以上のむ人たち)を対象にした節酒介入をプライマリレベルで行うためのbrief intervention(BI:短時間の介入方法)の研究会でした。医師よりも保健師さんが多かったようです。先進国で行われてないのは日本だけとか(またか!)。このBIによる節酒効果は世界的に確かめられているらしいのですが、日本でもその実証が必要というわけで、たまたま人づてに僕にもご指名があったのでした。一日目の夜に、これもたまたま知人の送別会に横須賀で遭遇して、いつにない多量飲酒で(僕は下戸なのですが)2日目が二日酔い気味だったのは、自分でもあきれましたが。
BI自体はよく考えられたものです。認知行動療法を基本にした、ワークブックと飲酒日誌の組み合わせを使った介入です。1年間でトータル5回の面接があり1回目と2回目は約15分かかりますが、その他は5分程度で終わるように設定されています。介入レベルは3群にわかれており、コントロール群(資料だけわたす)、B群(ワークブックを使用して介入)、D群(さらに飲酒日誌も使用して介入)の節酒効果を比べるのだそうです。症例を集めるのが大変でさらに外来の診療に組み込むというところに、保健師さんと違った難しさがあります。外来大丈夫かなあ?
でも、引き受けました。BIの手法に、慢性疾患に対する面接技法のヒントがありそうですし、応用すれば各疾患別のワークブックが作れそうな感じがしたからです。後輩たちよ、ちょっと無理してでも研究してみようよ。自分を高めるには、それなりの負担は避けられないのだから。・・・事後承諾ですまんのだけど。

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