2010年4月7日水曜日

3D

 今年も地域医療の実習に学生さんが訪れてくれた。純朴な感じのスポーツマンでとても人当たりがよい。大きな病院で一通り専門科を実習した後の地域医療実習なので、中規模の市中病院での研修が第一、第二希望であったとのこと。うん、とても正直でよろしい。つまり当院は第三希望(或いはそれ以下)なのだけれど、気分はwelcome to community mediceなので、(ほとんど)気にしていないさ。
 大学以外の施設での医療を地域医療として分類しているように思える実習参加施設の一覧を見ながら、さらに学生さんとの会話で想像できる医師像を思いながら、だからこそ、ここでの実習はcounter cultureとして彼にとって幾ばくかの視野拡大に寄与できるだろうと思う。この数日で話したのが、例えば、医師とは何者か、診断理論と診断の意味、治療すること或いはしないことの意味、臓器別の医療に取りこぼされるものとしてのcommon diseaseのこと、コミュニケーションネットワークが地域医療のベースであること、そして例のごとくpatient-centered method、など。まるで、禅問答のような感じで進むdiscussionで、彼、きっとつかれただろうと思う。がんばれ学生さん。この実習を乗り越えた暁には、大学の医療が3Dで見えることだろう。異なる視点の獲得こそが教育の成果というものだぜ、・・多分。