2009年10月6日火曜日

who needs GP/FP?

 尾駮診療所に地域研修に来てくれているTさんもかつて総合診療に興味があったのだそうです。教授にそのキャリアの難しさを指摘されて断念した経緯あり。そんな人の迷いに答えるべく家庭医専門性が立ち上がり、プライマリケア3学会が合同し、内部での盛り上がりは近年に例をみないほどなのですが、一般の方たちからは口に上らないGP/FP(GP;general practicioner 一般医 FP;family physician 家庭医)。超高齢化社会の日本では、多くの疾病とともに生きる人の数は必然的に世界一なわけで、社会資本としての医療を考えるなら、GP/FPの必要性と重要性は説明するまでもないのですが、現実の世の中では全くその動きがありません。提供する側がいきりたっても、提供される側にその気がない。これほどよいものなのに、それを欲しない方がおかしい、という言い方は常識的にみておかしい。いくら良い商品でも、それを欲望しない集団には価値がないという一般論があたりまえに通用してしまうのだし。
 とろこでそういう人たちの欲望の形式は、やはりラカンのいう、他人の欲望を欲望するということなのであれば、皆の視線の集まるであろう人たちがGP/FPを切に欲望する、という状況が必要だろうと思う。そのPRを誰にお願いするかという問題はあるけれど、それが空虚なプロガバンダで終わらないためには、実力でその魅力が理解されるような、しびれるようなGP/FPの出現が不可欠だ。さて、本日も勉強、勉強。

1 件のコメント:

bycomet さんのコメント...

 健全な医療が提供されている地域ほど、その必要性が理解されにくいのではないかと思います。経験ある専門医が幅広く診療をカバーしているからです。
 都会ではすでに、たくさんの患者さんがその必要性に気づかれています。
 時代はもうすぐです。