2010年5月19日水曜日

father and son, doctor and patient(2/2)

 という具合に学生さんたちを置き去りにレクチャーは進むので、彼らの頭上には多くの?マークがくるくると回転しているような気配があり、僕自身は変な汗で背中がじっとりしていたのでした。ああ、時間の進みが遅いし、空気が重い。K教授はなんだかにこにこしているような感じなんだけれど、こりゃ早く帰ったほうがよいな、と思いました。
 初めのスライドショーで子供たちの小さいころの写真を写しだし、”私が父になったのは、生物学的に彼が発生した時でもなく、母胎から離脱したときでもなく、ふにゃふにゃとしておっぱいを吸っている時でもなかった。彼が私をめがけてハイハイしながら近づいてきて、とうさん、と呼んだその瞬間なのである!このように父は発生し、その後も呼びかけに応えるその瞬間に私の中の父が立ち上がるのである!”・・・訳わかんないよねえ。続いて患者さんたちがこちらをみて微笑んだり、或いはじっとみつめるような写真のスライドショーをtsunamiのBMGを流しつつ思い出話をし、”そして同じように、医師とは、患者さんの視線にあって、それに反応するそのたびに発生する関係性のことなのである!”・・・と、言ってしまったのだけれど、変な宗教家みたいに見えたかなあ。自分なりに一所懸命だったのは確かなんだけれど。
 学生のFさん、そしてN君、つきあってくれてありがとう。来年はもう少しちゃんとした人になりたいです。

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