2010年3月2日火曜日

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 以前にもご紹介したBSAP(BPSD support area project、全国10県ほどで展開中)の青森支部の研究会を先日行いました。今回は連絡の不備もあって約30名の参加。天候は良好で、会場のアスパム(青森市にある△形の建物で観光物産館の名称)4階から眺める陸奥湾も春の海のような気配でした。午後3時開始で軽食を挟み午後7時まで。皆さん、お疲れ様。
 ちなみにBPSDはbehavioral and psychological symptoms of dementiaの略で、認知症にともなう周辺症状或いは問題行動と言われてきたものとほぼ同じもの。外出して帰れなくなったり、興奮して歩き回ったりして、その周囲の人に多大の影響を及ぼす症状のことで、認知症の治療や介護でもっとも対応が難しいものです。そしてBSAPは認知症にともなうそのような症状を、その人の住む地域で家族を含めた地域のチームで対応してゆこうという考えを全国に広めるための組織です。研究会のメンバーは従って、医師だけではなく、看護師さんや保健師さん、さらに介護職員さんや福祉関係のスタッフなど多職種にわたっています。
 各県での研究会はその土地柄や構成メンバーのキャラクターで異なっているとのことですが、青森の特徴は臨床心理的なアプローチに重点を置いているところです。基本的には薬の使い方や基礎知識、地域チームのあり方を勉強するのですが、なにか物足りない。そこで臨床心理学。研究会のワークショップでは、ご家族の心理とともに対象の方の行動を動機づける心の動きとその理由を把握することで、医師を含めたスタッフのその人に対するまなざしや接し方に変化を生じたようです。ご本人或いはそれに反応するご家族の物語を推測することで、まなざしが優しくなるのです。現実はもっと厳しい、過酷なものだ、その通り。それでも、その中に見え隠れする優しい物語に、ご家族もスタッフも救われることがあるのなら、ただのお遊びとは思いません。暗闇の中の差し込む光とでも呼びたいほどです(また口が滑っている・・・)。興味のある方は、どうぞご連絡を。

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