2010年3月16日火曜日

how to make a family physician

 先日、後期研修の1つである家庭医療コースの研修評価会に参加しました。プログラムの名称は家庭医療ではなく地域医療というタームを使っていますが、まぎれもなく旧家庭医療学会が認定した家庭医養成プログラムです。評価会では秋に行われる家庭医認定試験に準拠した形式で行われ、その中心はテーマ別に実地模擬試験(OSCE)とポートフォリオによる研修全体の評価でした。1人の受験者に2人の教官がつきっきりで30分の試験を行い点数をつけ15分でフィードバックを行うというもので、形成評価を含んだものでした。受験者も疲れるのですが(OSCE4種類、ポートフォリオ1つ)、評価するほうも結構へとへとになりました。みんな・・・お疲れさま!
 家庭医になりたい。僕は40歳を過ぎたあたりから本当にそう思うようになった。それはなぜだったか?家庭医であろうがなかろうが、地域医療で行うコンテンツは変わらない。敢えて家庭医という必要がない。何でも屋、医療のコンビニ、便利な医者。自治医大の卒業生の中で、ある人ははそれで納得がいっていたし、ある人は専門医をめざして一般的なキャリアを求めて去って行った。地域の患者さんも僕らに多くを期待しているわけでもなく、専門施設を求めて都会に通院する。科学技術こそが価値であるならば、それはそれで仕様がない。地域の医者に診てもらうのは、どちらかと言えば、仕方なく、だ。通院する力がなくなったり、お金がなくなったりということで、まあ、いなかの低レベルで我慢するしかないか、という人も多い。この虚空の中で正気を保つことはとても難しかったのだった。そこからの跳躍に必要だったのは、今思えば、”あこがれ”だった。しかも自分の後輩がみつめたその方向を僕もみつめるというあり方で。家庭医療は僕にとっては虚空に意味を与え、自分に力を与える光だったのだ。
 家庭医療を教えるのは本が有れば足りる。そして、家庭医をつくるのがコンテンツでないことは自明である。
PS:病棟総合医はそれでもできちゃうと思うけどね。
  

1 件のコメント:

tt さんのコメント...

お世話になりました。平山です。
今弘前に着きました。
ご挨拶して帰るべきところ、お会いできず申し訳ありません。

短い間でしたがとても勉強になりました。
診療所の皆様にも大変かわいがって頂きました。ありがとうございました。

まことに勝手ではございますが、またお邪魔させていただければ幸いです。

宜しくお願いいたします。

ではこのたびは本当に有難う御座いました