そうそう、なぜ”冒険”なのか。まず、大学の教授陣たちの多くが東京大学の出身で、へき地或いは地域医療の主体的な経験がないということ(見学はしたことがあっても、そこに住みともに悩むという経験はないので、主体的とは言い難いですよね)。卒後の研修はすべて出身県の中核病院の先生方と卒業生そのものに(ほぼ)丸投げだったこと。それはまるで戦場で戦ったことのない教官が武器の使い方を本土で教えて、すぐさま前線に送り込んだような状態だったのでした。武器があれば、良いでしょ!・・・って、お〜い。
彼らは戦えるのか?”基礎科学は教えた。あとは、現場でやってみてくれ”作戦。うーむ、大冒険だったと思うよ。地域医療を知らない教授に教えを受け、教え子は一人も学校に残らないという不思議な医学校の冒険はこうして始まったのでした。つづく。