2008年9月24日水曜日

後期研修:地域医療のidentityに関する考察

先日、医師の後期研修説明会に参加しました。医師免許を獲得して最初の2年間は、1つの専門に偏らない医師としての基本的な臨床能力を確保する期間で初期研修と呼ばれています。その後の3年程度は後期研修ということで、おおまかに自分の将来を決めるような専門的な研修が中心になる期間と位置づけられています。私の所属する地域医療振興協会の研修病院は小規模な病院が多いため、総合的な臨床能力が求められます。また自治医科大学の卒業生が多いということで各科による縦割りの弊害はかなり少ないと思います。意図したものではないという意味で自然発生的ではありますが、総合診療を実践するのに適した研修ができます。
ここまではいいのです。この後期研修を受けることで、総合診療・地域医療の道を進むための基礎体力と考察力をつけるということであれば最高に良いのです。問題があるとすれば、やはりidentityに関することだろうと思います。いまだに臓器別の専門医が大多数を占める中、なんでもみること・みようとすることを通して人や地域の役に立つという大きな価値感とともにあることを意識し、またそういうタイプの専門性を持った医師が社会から認められ求められていること(つまりはidentityということですよね)を、これらの研修施設で意識して研修を提供するのでなければ、missionとして成り立たないのではないかと思います。理念こそが人を動かすものだと信じています。その実現のための後期研修を支援する尾駮診療所でありたいです。
 

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