2010年6月21日月曜日

generalist and its meaning

(県人会MLの話題から:総合診療・generalについての私見(改))
 総合診療の意味を考える場合、言葉の問題もあって大抵混乱します。専門医が特定の臓器・病気の修復に強い興味を持つのに対して、generalist は不確定な症状や状況に対応する特性があります。専門医が時間軸のない科学を基盤にするのに対して、generalistは状況依存、時間依存の考え方をします。救急、地域医療に対してgeneralistに適性があるのはこの特性のためです。
 なにをするかという枠組みでとらえるとgeneralistは何でも屋でしかありませんが、どう対応するのかという枠組みでとらえれば、各科の基本技術はもちろん時間・人間関係等なんでも利用するというその優れた特性と専門性が理解されます。ただし、そのoutcomeと方法論をきちんと意識していないと医学の一分野としてはなりたたないとも思います。
 救急、地域医療(プライマリ・ケア)、或いは総合診療は機能を表した言葉ですから、実はどの科の先生がやっても良いのでしょうが、この分野に求められるものを考えればやはりgeneralistの特性をもつ者が適していると思います。総合診療部の苦労は周知の事ですが、generalistという視点から見れば、関係性を基盤に各科の調整や地域との関係調整、或いは外来のあり方を考えることは、確実にgeneralistの生き方ということになります。状況によって自分をこそ大胆に変えて行くからです。それは、できることを機械的に提供するのではないgeneralistにしかできないことでありますね。残念ながら、それをみるdimensionを持たない人にはなにもしていないように見えるのですが。

 どうか、だれかに伝わりますように。

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