2010年1月7日木曜日

encounter turns out some self-identification

 年が改まって今年は寅年。寅のTではないけれど、先日T先生が代診に来てくれて興味深い話をいろいろ伺っている間に、なんだか少しだけ自分がわかったような気になりました。T先生は家庭医療や医療経済や社会学に興味のある、新進気鋭の女性医師で、活動は主に英国が主体のようなのですが、帰国して時間のあるときには地域支援をしているのだそうです。もう、とにかく明るくて活動的で、会話が楽しくて、ひょうきんな所もあって、誰とでもすぐ仲良くなれるタイプの人でした。それだけで家庭医としての練成度がわかるというものですが、臨床医としてだけでなく、さらにそれをメタの位置で考えてゆく特徴があるようでした。うーん、すごいぞ。
 ところで、そんな彼女と話していて、自分との類似点(たとえば家庭医療が好きなこと)や相違点(たとえば臨床がほぼ全ての僕と、リサーチに興味をいだく彼女)が鮮やかにコントラストをなしているのが見えました。家庭医としての感触の違い、思考のリズム、反応の速度、バックボーンの違い、家族のこと、つまりコンテクストの違いで形成されてきた表現形の相違に軽いめまいを感じていました。そうではないものとしての自分という観点は、あまりには当たり前のことでしたが、重なりながらずれていくそのハウリングは、両者が近いほど大きく聞こえるもので(ギターのチューニングをしたことのある人はよくわかると思うのだけど)、それがおそらくめまい感の原因だったのだと思います。違いが大きすぎる人との出会いはその人が際立ってみえるのだけれど、近い人との出会いは自分への意識が強まる、ということなのかもしれないですね。今年もまたこんな感じでブログを始めます。どうぞよろしく。

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