そのような感覚。弱さ、儚(はかな)さに心が引かれてゆくこと。遠景に消えつつあるような、手からなにかが離れてゆくような、そのような失うことの予感が心を波立たせているようだ。久しぶりに会った自分の子供(もう成人しているのだけれど)のなにげない仕草や言葉にそれを感じて、大声で泣いてしまいたくなっていた。若いころのような星屑の涙はもう求めるべくもないけれど、重力に引かれたものができるのは、せいぜいそれくらいのことだ。そうでなければ抱きしめるしかないではないか。きっと、親父やめろ、というのに決まっているけれど。
外来診療における共感。僕はnarrative driveという名をつけたのだけれど、儚さに引かれて発生するこの力は多分humanityとかloveとかというものに近いのかもしれない。・・・なんにでも屁理屈つけるのは悪い癖だ。それにとりあえず、泣くのはみっともないことだ。今回はちょっとあぶなかった。
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