若い医師たちと話をしていてなにげなく言ったことが、後になって、自分ながら重要な意味を持つように思えることがある。これもその1つ。僕はたしかこのように言ったのだった。”学生さんたち、あるいは初期研修医の人たちが、外来の診察を理解できないのは当然だよ。だって、彼らの知っているのは、せいぜい単語(医学知識)かあるいは基本的な短文(典型的な診断)なのだし、実際の地域医療で行われている外来診察は物語を読み込んでゆく作業なのだから。単語の数が多いからといって、小説は読めないでしょ。文脈あるいはコンテクストが重要なのだし。”そして、”だからまた、外来診療を見ていて知っている単語だけを拾うような見学実習は意味がない、ってことだよ。少なくても、単語を確かめるために外来診察をみていてはだめなことは理解しておかないとね。できれば物語を読むその読み方や、読み手と話し手のインターラクションからさらに変化してゆく物語のlive性を感じるようにするのが良いと思うよ。”、ということを、異様な熱心さで語っていたような気がする。なんでこんな話になったのかの記憶がない。どうしてこんなに熱く語る必要があったのかも。
さらに後日、風呂に入りつつ思い浮かんだこと。物語の主人公の行動特性・それを語る人の性格の特徴は、確かに物語そのものというよりは、物語を発動する主人公あるいは本人の特性と捉えられるわけで、これはDr.Fたちの言うところの現象学的な観点と重なるものだろう。つまり、PCM(patient-centered method:患者中心の医療の方法)で行われている動作の中にすでに内在していたものなのではなかろうか。うーん、そうかな?そうあってくれると、考え方が統合できてわかりやすいのだけれどもね。
2010年10月31日日曜日
mentor without contraction
基幹型研修病院から2回にわたって地域研修に来てくれたS君。地域医療の方法は、どれも地味だし、いわれなければその方法を使っているのさえわからないほどのものだから、その理解にはケースを通した議論しかないんだ。ほぼ毎日3-4時間にわたる検討会を通して、なんとなくそのことをわかってくれたとは思うのだけれど、最終日に君に言ったのが、”混乱の意味を知ることが地域医療のコアだ”、だから、ますまず混乱させたのに違いない。いや、けっして君をいじめているわけではない。結局、僕自身がそのようなことに呪縛されてもいるのだしね。ただしS君。君が僕の言葉で混乱しながらも、カウンターをあてるような質問のできることは本当にすばらしかった。一方通行ではつまらないし、こういった状況の方が、僕自身にとってはありがたいことだから。なにしろ、すぐ調子にのって、自分の解釈を、さもそれが真実のように話す悪癖があるから。
そうそう最後の最後に”僕のいうことを信じるな”と言ったのは、そういうことなのだった。要は自分で考えろという落ちがついて、今回の研修は終了です。・・・5年後、また会いましょう。自称おしかけ教師とのコンタクトは生涯続くと覚悟されよ。いや、これもいじめではないってば。
そうそう最後の最後に”僕のいうことを信じるな”と言ったのは、そういうことなのだった。要は自分で考えろという落ちがついて、今回の研修は終了です。・・・5年後、また会いましょう。自称おしかけ教師とのコンタクトは生涯続くと覚悟されよ。いや、これもいじめではないってば。
2010年10月20日水曜日
how to listen to English
英語。いつもやっかいな英語、特に会話。話せないのも困るけど、まず、聞き取れないのだから絶望的だ。渡英を前にしてニンテンドーDSの『もっと英語漬け』を引っ張り出したり、英語の本を買ったりと、泥縄式の日々にあせりは募るばかりです。幸いになことに通訳までできてしまう有能な女医さんが支援して下さることになっているので、開き直っても良いのだけれど、せめて半分くらいは聞き取りたいものだ・・・中途半端は帰って危険か・・・それでも、礼儀として(?)少しは練習した方が良いと思う。ちなみに、米国式の方が聞きとりやすく感じるのはちょっと不思議だけれど、教材が大抵米国式の発音のものだからなあ。
こんな日々の中で最近、ほんの少しだけ、コツのようなものを発見した!テンポを合わせること。いままでは聞き取るときに単語或いはフレーズを意味を固まりとして翻訳しながら聞いていたのですが、これでは時間差で相手の発言を追うことになるので、非常に苦しい。実際、すぐに追いつかなくなるし、意味のわからない単語が出てきた途端に会話終了となる。そこで、意味は追わないで、音だけをなぞる。その際、16ビートを頭の中で(しかも前頭部眉間のあたりで)刻むようにするのだ。おー、こうするとそのまま音が聞き取りやすくなり、しかも、うまくゆくと7割程度が理解できるではないか!なんだか同時通訳の気分だ。
もっとも、滑舌の悪い人や声の小さい人、或いは全く未知の単語を使った会話状況では太刀打ちできません。またリズム感が悪そうなしゃべり方をする人も難しいようです。事の顛末はまた11月下旬に報告予定。・・・どうなることやら。
登録:
投稿 (Atom)